トップページ > 周辺知識  > 急性ポルフィリン症と皮膚ポルフィリン症の違い

急性ポルフィリン症

急性ポルフィリン症では、前駆物質であるδ-アミノレブリン酸やポルフォビリノーゲンが体内に過剰に蓄積し 神経毒として作用することで

@ 腹部症候(腹痛嘔吐、便秘=Günther三徴)
A 神経症状(四肢脱力〜麻痺、筋肉痛、球麻痺など)
B 精神症状(不安、不眠、錯乱、うつ、せん妄など)

を三主徴とする急性症状が生じます。
これらの症候は多彩に組み合わさり、症状が激烈なわりに理学的所見に乏しく、動揺性であり、また前面に出る症状が病期によって異なるため、急性腹症、あるいはヒステリーなど種々の神経・精神症状と誤診されやすく、消化器内科、神経内科、精神科で診断に難渋します。
診断や治療の遅れから呼吸筋麻痺で死亡に至る例がまれにみられます。

皮膚ポルフィリン症

皮膚ポルフィリン症では、前駆体ではなく主として中間体である各種ポルフィリン体が体内に過剰蓄積しますが、これらポルフィリン体はδ-アミノレブリン酸やポルフォビリノーゲンに比べて難溶性のために尿から排泄されにくく皮膚などに沈着しやすくなります。

ポルフィリン体は光反応性が高く、日光などの紫外線照射により励起される過程で活性酸素を産生し皮膚障害をもたらします.内臓が著しく障害されることはないため通常は皮膚科領域で診療されることになります。

ただし、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)ではプロトポルフィリンが肝にも沈着して潜在性に肝障害が進行し、さらに数%の例では肝不全を発症して死に至る危険性があるため、定期的に肝臓専門医の診療を受けておくなどの注意が必要です。

監修:山陰労災病院 第二内科 前田直人先生