2025.10.11

狂犬病のワクチンについて

ワクチンについて

狂犬病ワクチンには2種類の接種方法があります。

曝露後接種

狂犬病の動物や狂犬病が疑われる動物に咬まれる・引っかかれる・唾液が傷口に触れるなど(これを「曝露」といいます)した場合に、発症を防ぐために行うワクチン接種のことです。

曝露前接種

狂犬病に感染するリスクがある場合に、あらかじめワクチンを接種しておくことです。ただし、事前にワクチンを受けていても、実際に動物に咬まれるなどの「曝露」を受けた場合は、曝露後接種も必要になります。

狂犬病は、たとえ感染してしまっても適切に対応すれば発症を防ぐことができます。狂犬病が疑われる動物に咬まれたり、傷口をなめられたりした場合には、すぐに石けんと流水で傷口をよく洗い(約15分間)、できるだけ早く医療機関を受診して狂犬病ワクチンの曝露後接種を受けてください。傷の深さによっては、抗狂犬病免疫グロブリンを投与されることもあります。

※ 地域によっては入手が困難な場合があります。日本では承認されておらず入手できません。

曝露前接種はどのような人に推奨されますか?

狂犬病流行地域に渡航する人、奥地・秘境などへの渡航ですぐに医療機関を受診できない人、野生動物に接触する機会がある人(仕事、ツアー参加等)などに曝露前接種が推奨されます。特に、子どもは体が小さく手や顔の周辺、頭などを咬まれた場合、発症までの期間が短くなる可能性があるため注意が必要です。

参考文献
伊藤直人, 西園晃: ウイルス, 2024; 74(1): 1-8.
倉井華子: 臨床検査, 2024; 68(12): 1514-1518.