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急性ポルフィリン症の症状(AIP, HCP, VP)

消化器症状(Güntherの三徴)
− 腹痛、嘔吐、便秘
神経・精神症状
− 四肢脱力・麻痺、けいれん、呼吸筋麻痺
− 不安、不眠、錯乱、うつ病、せん妄
自律神経・視床下部症候
− 高血圧、頻脈、発熱、発汗
− 低ナトリウム血症

急性ポルフィリン症の症状別頻度

性差 女性60〜80%
発症年齢 20代〜30代
●内臓神経・自律神経症状
腹痛85〜95%
嘔気・嘔吐45〜90%
便秘50〜85%
頻脈65〜85%
高血圧35〜55%
●末梢・中枢神経症状
四肢疼痛85〜95%
四肢麻痺40〜70%
けいれん10〜20%
呼吸筋麻痺10〜15%
●精神症状
不安、錯乱、興奮、
不眠、うつ
40〜60%

急性ポルフィリン症の症状

  • 急性ポルフィリン症には急性間歇性ポルフィリン症(AIP)、多様性ポルフィリン症(VP)、 遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)の3病型のほか、これまで10例にも満たない世界的にもきわめてまれなアミノレブリン酸脱水酵素欠損性ポルフィリン症(ADP)が含まれます。
  • 急性ポルフィリン症ではいわゆる「急性発作」で発症します。急性発作は、

    腹部症候(腹痛、嘔吐、便秘=Güntherの三徴)
    神経症状(筋肉痛、四肢脱力、球麻痺、呼吸筋麻痺など)
    精神症状(不安、不眠、錯乱、うつ、せん妄など)
    が三大症状とされています。
    さらに、
    自律神経症状(高血圧、頻脈、発汗、発熱など)
    視床下部症候(乏尿低ナトリウム血症、高血糖など)
    を加え、五大症状ともされます。

  • 急性ポルフィリン症ではこれらの症候が多彩に組み合わさり、症状が激しい割りに診察上の所見に乏しく、動揺性であり、また前面に出る症状が病期によって異なるため、初期診断が難しく、しばしば胆石発作尿路結石、急性虫垂炎、卵巣捻転、子宮外妊娠などの急性腹症、あるいはヒステリーなど種々の神経・精神症状と間違って診断されます。
  • AIPでは皮膚障害はみられませんが、HCPとVPでは皮膚症状(光線過敏症)を呈することがあります。とくにVPでは急性発作よりも皮膚症状が初発症状でかつ主症状となることもあります。
  • 発作の誘因として、ある種の薬物(バルビツール系薬剤、サルファ剤、抗けいれん薬など)、飲酒、喫煙、ストレス、カロリー不足をきたすような無理なダイエット、排卵誘発剤、生理、妊娠などがあげられます。
    診断の重要な情報となりますので、注意してみて下さい。

監修:山陰労災病院 第二内科 前田直人先生