Interview #02

多様な経験を活かし、患者さんやご家族に少しでも多くの笑顔と幸せを届けられるよう、
できることを一つずつ積み重ねていきたい / 林 克儀
三つの文化で経験を重ねて
林さんは台湾出身。「子供の頃からテレビゲームやアニメが好きで、さらに中高生のときはJ-POPやサークル活動を通じて日本の文化にどんどん惹かれていました。」
台湾の大学薬学部を卒業後、空軍で勤め、その後薬剤師として経験を積みました。
研究への情熱から渡米し、テキサス大学オースティン校で薬化学博士号を取得。
「アメリカに留学したのは、優秀な先輩たちの影響が大きかった。日本の大学院進学も考えましたが、当時は日本語力や情報の面で壁があり、アメリカへの進学を決めました。」
大学院時代にはバイオベンチャー企業でインターンを経験し、医薬品開発のCMC(Chemistry, Manufacturing and Control)業務に携わりました。
大学院卒業後は「人生のチェックリストを満たすため、医薬品産業が盛んで、しかも自分が好きな日本で暮らしたい」と日本での就職を決意。日本のバイオベンチャー企業で抗体医薬品のCMC開発を経験し、現在はオーファンパシフィックでCMC薬制部に所属しています。
日本企業で働くということ
「日本企業で働いて感じたのは、チーム全体の計画性の高さと、社員の皆さんが真摯に業務に取り組んでいること。また、アメリカのような個人主義が強く、積極的な発言とは異なり、日本や台湾では全体の場での発言が控えめで静かな印象です。」と林さん。
「手順や計画にこだわる日本の文化には良い面もあるが、グローバルな医薬品開発の現場では柔軟性も必要。海外とのやりとりが多い今、相手に自分たちのプランを理解してもらい、柔軟に対応することが大切だと感じています。」
多文化・多言語の強みと苦労
「語学力と異文化への理解は私の強みです。英語圏での経験があるからこそ、欧米の考え方をすぐにキャッチアップできる。中国語も活かせる場面があり、今の仕事にプラスになっています。」
一方で、難しさもあるようです。
「以前は計画的なタイプではありませんでしたが、日本で働き始めその重要性を実感しました。皆さんのペースを損なわないように努力していますが、海外の方には日本の計画の細かさが分かりづらいこともあり、そこは苦労しています。」と率直に語ります。
患者志向とグローバルな視点
「台湾や日本では患者さんが控えめに振る舞う傾向があり、医療関係者に判断を委ねることが一般的です。一方、欧米では患者団体の発信や自己主張が非常に積極的であることが特徴です。」
「オーファンパシフィックでも、患者さんの声を大切にして、直接お話を伺う機会を設けるなど、患者志向の取り組みが進んでいます。希少疾患で悩む患者さんの声を専門団体や関係機関にしっかり届ける役割を果たしたい。」

