RDD BLUE FRONT SHIBAURA 2026セミナー
「治療法がない」を、待つだけで終わらせない
―ブルーメンタル由夏理さんの言葉から、私たちが学んだこと―

 

 

「治療法がない」という現実を前にしたとき、私たちは何ができるのでしょうか。病気について知ること。患者さんやご家族の声に耳を傾けること。そして、自分にできる小さな行動を始めること。

2026年3月27日、シミックグループ/オーファンパシフィックは、BLUE FRONT SHIBAURAのテナント企業の皆さんとともに、RDD(Rare Disease Day:世界希少・難治性疾患の日)のセミナーを開催しました。テーマは、

 

自分が望む変化に、自分自身がなれ

―Be the change you want to see―

 

 

会場とオンラインを合わせて、800名を超える方々にご参加いただきました。今回お話しいただいたのは、医師、研究者、製薬企業社員、AMED職員として希少疾患治療薬の研究・開発に携わる一方、難治性希少疾患であるアレキサンダー病のお子さんを育てているブルーメンタル由夏理さんです。専門家として、そして患者さんのご家族として。二つの立場から語られた言葉を通じて、私たちは希少疾患を取り巻く現実と、一人ひとりの行動が持つ力について学びました。

 

ブルーメンタルさん.jpg

 

 

学んだこと①

希少であることが、治療の可能性を閉ざしてはならない

希少疾患の治療薬開発には、日本や欧米でさまざまな支援制度が設けられています。しかし、患者数が極めて少ない「ウルトラオーファン」と呼ばれる疾患では、研究開発の難しさや採算性などの理由から、治療薬の開発が進みにくい現状があります。

ブルーメンタルさんのお話から、私たちは、これからの希少疾患治療薬の開発には、製薬企業だけでなく、研究者、バイオベンチャー、NPO、患者団体、投資家など、立場を超えた連携が欠かせないことを学びました。

「患者数が少ないから難しい」で終わらせるのではなく、さまざまな人が知恵と力を持ち寄り、新しい方法をつくっていく必要があります。

 

 

学んだこと②

患者さんとご家族は、病気だけでなく「情報の少なさ」とも向き合っている

ブルーメンタルさんがお子さんの病気について初めて告げられたのは、出産を間近に控えた妊娠36週の時でした。出産後、お子さんは手術やてんかん発作を経験し、その後、アレキサンダー病と確定診断されました。

しかし、非常に希少な疾患であるため、医療の現場でも得られる情報は限られていました。患者さんやご家族が向き合っているのは、病気の症状だけではありません。情報が見つからないこと。同じ病気の人と出会えないこと。この先どうなるのか分からないこと。そして、治療法が存在しないかもしれないという現実。

ブルーメンタルさんのお話から、こうした見えにくい困難が、患者さんとご家族の日常に重くのしかかっていることを、私たちは改めて知りました。

 

 

学んだこと③

状況を変える最初の一歩は、一人の行動から始まる

情報が限られる中、ブルーメンタルさんは、自ら世界各地の医師や研究者に連絡し、お子さんの治療につながる情報を探し続けました。そして現在は、ご自身も希少疾患治療薬の研究・開発に携わっています。

すぐに大きな成果が得られるとは限らなくても、自分にできることを考え、行動を続ける。講演タイトルである「自分が望む変化に、自分自身がなれ」という言葉は、ブルーメンタルさんご自身の歩みそのものでした。同時に、この言葉は、講演を聴いた私たち一人ひとりに向けられたメッセージでもあります。

 

 

私たちにできること

希少疾患のために何かをしたいと思っても、「自分には専門知識がない」「何をすればよいか分からない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、まず病気について知ることも、患者さんやご家族の声に耳を傾けることも、大切な一歩です。

知ったことを誰かに伝える。

誤解や思い込みに気づく。

患者さんやご家族の立場を想像する。

それぞれの仕事や生活の中で、自分にできることを考える。

その一つひとつが、希少疾患を取り巻く社会を少しずつ変えていく力になると、私たちは考えています。

 

 

講演動画では、ブルーメンタル由夏理さんとご家族の経験、希少疾患治療薬の開発を取り巻く課題、そして状況を変えるために続けてこられた取り組みについて、詳しくお話しいただいています。ぜひご覧いただき、患者さんとご家族のために、自分には何ができるのかを考えるきっかけとしていただければ幸いです。

【講演動画はこちら】

https://www.youtube.com/watch?v=7SPjTMlnVEc