希少疾患への挑戦6
Rare Disease Day
- 世界希少・難治性疾患の日 -

毎年2月最終日は世界希少・難治性疾患の日

Rare Disease Day(レア・ディジーズ・デイ、以下RDD)をご存知ですか。2008年2月29日、スウェーデンで世界初のRDDが開催されました。うるう年の2月29日は希少であるため、この日にRDDが開催されました。
それ以来、2月最終日を「世界希少・難治性疾患の日」として、世界各地でイベントが開催されるようになりました。日本でもRDDの趣旨に賛同し、2010年からイベントが開催されています。全国各地のイベントが、患者さんと社会をつなぐ架け橋となり、希少・難治性疾患の認知度向上のきっかけとなることが期待されています。

希少疾患とは?

そもそも希少疾患(きしょうしっかん、英:Rare Disease)って何でしょうか? 実は厳密に定義されたものはあまりありません。希少疾病(きしょうしっぺい)とも言われ、その多くは難治性の疾患であることから、希少難病と言われることもあります。

希少疾病のための医薬品は『希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)』と呼ばれ、これは一定の要件を満たした医薬品(開発中を含む)について、厚生労働省が指定するものです。この要件の1つとして、日本では国内の患者数が5万人未満とされている1)ことから、一般的には患者数が5万人に満たない疾患が「希少疾患」と呼ばれています。

1)厚生労働省「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html(2018年2月28日アクセス)

数字で見る世界のRare Disease

希少疾患は本当にRareなのでしょうか?表に示すように、世界には約7,000もの希少疾患が存在し、その患者数の合計は3.5億人にものぼると報告されています。ひとつひとつの疾患は医療従事者にさえあまり知られていないものも多く、なかなか診断がつかずに医療機関を次々と、あるいは同時に受診するドクターショッピングを繰り返すことなどが長い間問題となっています。また、患者数が少ないことから治療法の開発が進まないことも大きな課題です。

つながるちから
~Take Action Now~

RDD Japanでは、毎年日本オリジナルのテーマを決めてイベントが開催されています。2018年のテーマは「つながるちから~Take Action Now~」。

RDD Japan2018のキービジュアルは、真ん中にハート型のスイッチと手があり、スイッチを押すと電球が点灯するというイメージで作成されています。

全国各地で趣向を凝らした
イベント開催

日本では、RDD日本開催事務局を特定非営利活動法人ASrid( 日本語名:アスリッド)内に設置し、全国各地でそれぞれ独自の事務局公認イベントが開催されています。

イベントは、各地の団体が主体となって進められ、希少疾患を知ってもらうために趣向を凝らしたプログラムとなっています。医療関係者や行政機関の方を招いた講演会や公開シンポジウム、患者さんやご家族を交えたトークショー、希少疾患の相談コーナーや理解を深めるための展示パネル、地域によっては音楽演奏などのアトラクションや希少疾患に関する川柳大会を開催している地区もあります。

開催主体も、実行委員会形式や、各地の難病支援の団体や患者会、地域の難病連絡協議会、大学、図書館など様々で、場所によっては病院が中心になって進められているところもあります。

RDDは2月最終日ですが、参加しやすいように2月の日曜日を開催日に設定したり、2月を希少疾患月間として、人が集まる場所に期間中展示を設けたりもしています。

ひとりでも多くの人に知ってもらうために

イベント開催は2月に集中していますが、希少疾患を知ってもらうには継続的な取り組みも必要です。RareDisease Day 日本開催事務局では、寄付のお礼としてRDD Japanのオリジナルグッズを作成しています。

オフィシャルバッジをつけたり、グリーティングカードやレターセットで友人に伝えたり、トートバッグをもって買い物に出かけることで、つながるちからによって、ひとりでも多くの人に希少疾患を知ってもらう取り組みを続けています。

RDD Japanオフィシャルウェブサイト: http://www.rarediseaseday.jp/(2018年2月28日アクセス)
ASridホームページ: http://asrid.org/ (2018年2月28日アクセス)

CMIC季刊誌 C-PRESS NO.10 より 転載
(電子ブックが開きます)

医療従事者向け「希少疾病情報」ページ
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