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希少疾患への挑戦2

オーファンドラッグとは

オーファンドラッグ(Orphan Drug)とは希少疾病用医薬品のことで、対象患者数が本邦において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、厚生労働大臣が指定した医薬品です。欧米でも、患者数の規定に多少の差はあるものの、ほぼ同様の制度があります(表)。

「Orphan」とはもともと「孤児」という意味の言葉です。希少疾病用の医薬品は、開発コストが回収できないことが多く、製薬会社では積極的に開発されてこなかったため、見捨てられた孤児のような薬という意味でOrphan Drugと呼ばれています。

(表)オーファンドラッグ制度の国際比較

(参考)
医療基盤研究所ホームページ「希少疾病用医薬品等ガイド」
児玉ほか、難病・希少疾患対策の国際的な動向、保健医療科学60(2)、105-101、2011
独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ
「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器に係る優先的な対面助言、及び優先審査について」

これらにより、徐々にオーファンドラッグに指定される医薬品が増え、開発が進められるようになりつつあります。オーファンドラッグは疾患毎に指定されるため1製品で複数の指定がありますが、2015年5月末時点で延べ361品目が指定されています(図)。

近年、新薬が出にくくなっていることもあり、オーファンドラッグに注目が集まってきています。審査上の優遇制度、開発費の助成制度等が整備されたことのほか、新薬創出加算制度による影響も考えられます。新薬創出加算は、国が企業に対してオーファンドラッグを中心とした適応外薬等の開発を要請して、企業がその開発に取り組むことで新薬の価格を維持するという制度です。

(図)オーファンドラッグ指定数推移

(2015.5月までの指定医薬品数。指定取消医薬品も含む)

(「希少疾病用医薬品指定品目一覧表」国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所 より作図) http://www.nibiohn.go.jp/nibio/part/promote/orphan_support/kisyoiyaku-hyo1.html

最近、ウルトラオーファンドラッグという言葉が聞かれるようになりました。オーファンドラッグの中でも特に患者数が少なく、1,000人未満の疾患に対する薬剤をウルトラオーファンドラッグとして、開発費用により厚い助成を行おうというものです。
しかし、より患者数が少ない疾患に対する薬剤の課題は、開発費の負担だけでなく、安定供給の確保や全例調査実施時のコストなど、目に見えにくいところでの問題もあります。

患者さんからみると、オーファンドラッグは一般的に高価になるため、医療費が非常に高くなってしまいます。せっかく薬が開発されても経済的負担が大きくて使えないということにもなりかねません。難病対策法が2015年より施行され、指定難病の数が増えたことで、医療費助成を受けられる患者さんが増えましたが、まだ取り残されている患者さんも残っています。また、経済的な面だけでなく、疾患の認知度が低いために診断がつかないことで、薬までたどりつかない患者さんも少なくありません。オーファンドラッグが患者さんの役に立つには、このような種々の課題を解決していかなければなりませんが、全ての患者さんが適切な治療が受けられることを夢見て、オーファンドラッグを届けたいという製薬会社も登場してきています。

CMIC季刊誌 C-PRESS NO.6 より 転載
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